第10問 人間の創造 問: 神は人をどのように創造されましたか。 答: 神は人を、男性と女性とに、知識と義と聖において御自身のかたちにしたがって創造し、被造物の支配を託されました。 ①聖書は人間の創造を非常に重要視しています。他のものの創造に関する部分よりも人の創造に関する部分がはるかに比重が大きいです。 ②この世界で「神のかたちにしたがって」つくられたのは人間しかいません。 上の①と②から言えること。 人の創造こそ創造全体の焦点。 この世は人のためにつくられている。 人は他の被造物を治める存在となるためにつくられました。 人は他の被造物を統治するものであり、被造物のなかの王だと言えます。 1.〈神のかたちとはなにか:知識、義、聖〉 第4問で神は霊であるから見えないということを学んだように、「神のかたち」も外形的なことを言っているのではありません。神の知識と義と聖にしたがい、つくられたということです。 しかし現在の人間はこの「神のかたち」を有しているとは、とても言える状態ではありません。人は罪に堕ちたことにより神のかたちを失ってしまいました。 ですから現在の人は神の完全なかたちを有していません。 しかし聖書はこの神のかたちを回復するようにと言います。 "真理に基づく義と聖をもって神にかたどり造り出された、新しい人を身に着るべきことでした。”(エペソ人への手紙 4章24節) 2.<被造物の支配:統治権> 神は人にすべての被造物を管理し治める統治権を与えられました。人はその使命を全うする必要があります。これは私たち人間の責任です。 人が最初つくられた時は、この統治権をしっかりと行使していました。創世記2章19節のアダムの様子からもよくわかると思います。 "神である主は土からあらゆる野の獣と、あらゆる空の鳥を形造り、それにどんな名を彼がつけるかを見るために、人のところに連れて来られた。人が生き物につける名はみな、それがその名となった。”(創世記 2章19節) ここで名付けるとは、ただ思いつきや感覚で名前つけることではありません。そのものの特性を完全に理解して名付けを行なっているということです。 しかし現代の私たちはアダムほどの能力を持っていません。 なぜなら罪に堕ち、神に与えられた力を失ってしまったからです。 ここでは人が最初どれほどすばらしい形でつくられていたのかを知っておきたいと思います。人が本来、完全な「神のかたち」としてつくられた大変尊い存在なのだということを知り、今の状態が正常ではないことをしっかり認識したいところです。